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イラストレーター かみやりょうこの平凡な毎日


by studio_ryoko

旅つれづれ2 ないものはない

前回のつづき。

初めてのパリに浮かれながらホテルに到着。
この頃、まだ何も知らない幸せな私たち。

ボンソワーとチェックイン。
フロントのお姉さんが笑顔で迎えてくれる。
クレジットカードを見せてください〜と言われ、
夫よ出しておくれと私。
妻よ、出しなさいと夫。
……えっ。


えっ。


えええええ!?


ない。ないのだ。
ないったらない。
行く前にあんなに色々と確認し合ったのに、
お互いが持ってるものと勘違いしていたのだった。
カードが一枚もない、8泊9日のヨーロッパ。
キャッシュカードもないのでおろすことも出来ない。
あるのは所持金のみ。あまり現金は持ち歩かない方がよいと
聞いてたので、少なめ…。
ツアーじゃないので、食事代もかかる。
体中の血がザーッと音を立てて引き、
その後、瞬時に熱くなった。体よ。びっくりしたか。
旅つれづれ2 ないものはない_f0204423_1231553.jpg

機内でガイドブックを眺め、ここに行きたい、これも買いたい、
と浮かれていたあの頃…ジャズの流れる車でパリの夕暮れの街を
走っていたあの頃が懐かしい…。幸せだったあの頃の私たち。
むしろ知らなくて良かった。

とにかくチェックインをすませなければ。
青くなったり赤くなったりして大変な私たちに、動揺しつつも優しいお姉さん。
あ、あの〜なければいいですよ!と、お金を少し預けるように対応してくれた。
(チェックアウトの際に返しますので〜と)


ふらふらと部屋に入り、トイレに入って出てきた夫は笑っていた。
壊れたわけではなく。もう笑うしかないのである。
二人の所持金をかきあつめ、1日いくらで過ごしたらいける!と
計画を立てる…。
こんなビップな旅、もう出来ないかもねーなんて言ってたのに
結局学生の貧乏旅行になってしまった。
でもないものはない!のだ。
明るく生きるしかないのだー。

(結局、旅が終わってみればお金は十分足りたのだが…初日なので怖かったー)


気を取り直し、夜8時半でも明るい街を散策。
ギャラリーラファイエットという、老舗の百貨店に入る。
建物もだけど、この天窓みたいな造形が美しいのだった。
旅つれづれ2 ないものはない_f0204423_12503763.jpg

煌めく靴やバックたちに、そっとさよならを告げる。

お風呂につかって、バッタリと寝る!
明日から観光。
by studio_ryoko | 2013-05-15 13:16 |